最近、在宅で自然に看取る機会が続いています。
大切な人とのお別れは取り返しがつかず、一生に一回、人生の締めくくりをすることです。
口から食べられなくなり胃ろうを造りたい、造らないほうがよいのでは・・・?
点滴してほしい、しないほうがよいのでは・・・?
いろいろ悩む事があり、一度決めたことも最後の最後まで揺れ動くこともあります。
御本人がどのように最後を迎えたいのか、気持ちを周りの御家族などに伝えていただけてい
る場合は周りの方々にとっても本人の意思に基づくということで答えが出しやすいのですが、
そうでないことも多々あります。
私たちはそんな時、できる限り御本人、御家族等の皆さまにとって悔いがない最後が迎えら
れるように一緒に向き合い歩みます。
お亡くなりになったあと、御希望の方にはエンゼルケア(死後の処置)を御家族とともに行い
ます。最後、一緒にケアを行う事で、御家族の皆さまは、どの方もすっきりした表情をして
〝やれることはしました” 〝一所懸命できることはしました” 〝これからはあちらの世界でゆ
っくりできるでしょう” などと話されます。
妻が、御本人に「やり残したことはありますか?」の問いに夫である御本人は
「ない」と言われたそうです。
介護をしていた弟さんが、その後喪失感で落ちこんで今後が心配でしたが、ケアを一
緒にしたことで気持ちに区切りがついたようです、と御兄弟からの電話もあります。
在宅で最期を迎えられた方々の一つ一つの言葉が思い出されます。
御家族との会話の最後の一言が「大好き」。素敵な一言ですね。
これらの最後の一言が、心に残り、気持ちを奮い立たせ、失った悲しみを乗り越え、きっと生
きていく力となって行くことでしょう。
お盆で道路もすいています。事務所にかかる電話も少なくゆったりしています。
皆で、大切な人に心を馳せましょう。