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作業療法士の本郷です。はじめまして。
新緑がきれいで、気持ちの良い季節になってきました。当事業所に就職して2年半、たくさんの患者さまに関わらせてもらっています。その一人
一人の身体の状態、生活状況、問題点などは千差万別です。
そんな中で、癌末期を自宅で過ごす方との関わりは、これまでの臨床経験にはなかった
もので、OTとして何ができるのか、いろいろ考えを巡らせます。これは痛みの緩和だった
り、筋力低下予防の運動であったり、転倒予防のための環境調整であったり、家族への
支援であったり、様々です。そして、そんないくつかの経験の中で、今の私が特に大事
にしたいと考えることは、二つあります。
一つは、その方が人生の終盤を過ごすにあたって、自分の人生を振り返って、その
長かった道のりを自分なりに納得する作業を一緒に行うこと。子供の頃の思い出、
奥様と出会ったころの事、会社ではどのような役割を果たしてきたのか・・・、
そんなことを話してもらったり、アルバムを眺めたりしながら、一緒に振り返る作業を
行います。
もう一つは、気晴らしとして楽しめる作業を一緒に行い、病床の中でも楽しみをもったり、
またできれば得意なことをOTに教えることなどで、自己有用感ややりがいを持ちながら
最後の生活を送れるように支援すること。趣味として行ってきたことを披露してもらったり、
OTが色々教わったりします。
そんな活動をする中で、私の中に積み重なる経験や、楽しみ、教えられることが多いの
です。文字通り「人生の先輩」方の中で、勉強させてもらっています。
当事業所では、リハスタッフが介入するほとんどの場合で看護師も介入しているので、
連携しての医療管理のもとでこれらのアプローチが行えるのは、心強い思いです。これから
も看護師、セラピスト、ケアマネジャーとともにチームケアを進めていきたいと思います。